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ABS
ABSとは

アンチロックブレーキシステム。
ではなく、アンチバックラッシュシステム。

以下、DAIWAのサイトから。

飛距離を伸ばし、トラブルを抑える大径&逆テーパー

「ABS」は1997年のトーナメントのシリーズから登場した。
それまでのスプールは先端部にいくほど細くなるようテーパーがつけられていて、キャストの飛距離を出すことに注力したモノ作りが当たり前だった。
確かに正テーパー(先端に行くほど細くなる形状)は糸の出る方向に細くなっていくので飛距離は稼げると考えられていた。
しかし、キャスト時、放出される糸は前の糸を押し出しながら出て行くので、糸放出の勢いがつき過ぎると、糸がらみや糸切れなどライントラブルも発生しやすい。
飛距離かライントラブル減少か……。
釣り人にとっては悩ましいこの裏腹な課題にダイワが挑んだ答えが、“大径+逆テーパー”というスプールのカタチ「ABS」だった。

ここで2つの発想の転換が行われた。

1つは、それまでのリールではスプールの径が小さいため、糸に巻きグセがつきやすい。
糸グセは投げる時の抵抗になってしまう。
キャストした時に、たくさんの巻きグセ(ループ)が出来た状態では、糸本来の性能を発揮しにくいのだ。
径が大きければ糸クセは付きにくく、本来の性能を発揮しやすく飛距離を伸ばす助けとなるのではないか?

2つには、スプールを逆テーパーにすることで、糸は前の糸を押し出すのではなく、前の糸にあたりながら(ブレーキがかかりながら)適正な量と速度で出て行くので、バックラッシュをおこしにくく、トラブルを軽減するのではないか?

この発想から、大径で飛びを良くし逆テーパーでライントラブルを少なくする。
これが初代「ABS」の考え方である。
正テーパーであるから飛距離が伸びるという「当たり前」にメスを入れたからこそ、「ABS」は生まれたといっていい。